総務省統計局のデータ(2022年10月1日現在)によれば、

総人口は55万6千人の減少、12年連続の減少
日本人人口は減少幅が11年連続で拡大

  • 総人口は1億2494万7千人で、前年に比べ55万6千人(-0.44%)の減少となり、12年連続で減少しています。
  • 日本人人口は1億2203万1千人で、前年に比べ75万人(-0.61%)の減少となり、11年連続で減少幅が拡大しています。

16年連続の自然減少、減少幅は拡大

  • 自然増減は73万1千人の減少で、16年連続の自然減少となり、減少幅は拡大しています。
  • 男女別にみると、男性は37万1千人の減少、女性は35万9千人の減少となり、男性は18年連続、女性は14年連続の自然減少となっています。


そして、年々高齢者の人口と割合が増えていくことが予想されています。

つまり今後高齢者が増えるにつれて亡くなる方も増え、相続の問題が多く発生することになります。相続が発生した時に残された家族が悩むことのないように、高齢者自身も自分の亡きあとのことを家族に示せるように準備しておくことが必要です。
また、高齢の家族がいる子供や孫もいざという時のために、あらかじめどのようなことをすべきなのか考えておくことが大切です。
具体的にはどのようなことが考えられるでしょうか。

まず、被相続人となる方の側からどのようなことをしておくべきなのか考えておくことが必要です。
〇どのようなお葬式にしたいのか(費用、列席者)
〇菩提寺があるかどうか、お墓はどうするのか(お墓の設置費用は)
〇自分の資産と負債の把握(銀行、保険会社、預貯金額、借入額)
〇遺産の分割と方法
〇加入している健康保険や公的年金の把握
〇生れてから現在までの住所や本籍地の確認
〇国家資格・各種会員などの状況
〇遺言書の作成と保管場所

以上のことを把握したうえで自分が亡き後、残された家族が相続手続きをスムーズに行えるよう、また相続人間での争いが起こらないように準備をしておきましょう。

家族間で起きる遺産相続の争いは、しばしば様々な感情を巻き起こします。

遺産にまつわるお金や財産、思い出は、被相続人にとって重要なものです。しかし、相続においては財産分与や遺言の解釈に関する意見の違いが争いを引き起こすことも珍しくありません。時には、家族の絆が崩れることさえあります。

遺産相続をめぐる争いは、誰もが避けたいものですが、遺産の価値や感情の葛藤がからむことで起こる現実もあります。遺産相続においては、冷静な判断とコミュニケーションが重要であり、専門家の助言を求めることで争いを未然に防ぐ可能性が高まるはずです。

それでは、具体的にどんなケースが考えられるか考えてみましょう。

1.主な争いの原因

 遺言書がなかったり、内容が一部の相続人に有利だった場合、不満が生じることがあります。また          遺言書の有効性を巡る争いもあります。たとえば、遺言書の形式の不備や作成時の判断能力の欠如などです。

 遺産の評価に関する意見の相違として、不動産や株式など、遺産の価値が評価しにくいものについて意見が分かれることがあります。

分割方法に関する対立が起こるケースとして、遺産の分け方が公平に感じられない場合や、特定の資産(自宅や事業)が誰のものになるかを巡る争いが起こることもありえます。

 感情的な対立が原因となることもあります。過去の家族関係や親族間の軋轢が、遺産分割時に表面化することがあります。

 また生前に特定の相続人が多額の援助を受けていた場合や、介護や家業の手伝いなど特別な貢献があった場合に、それがどのように相続分割に反映されるかで争いが生じることがあります。

2. 法的な観点

 民法では、法定相続分が定められていますが、これは基本的な指針に過ぎず、実際の分割は相続人間の話し合い、いわゆる遺産分割協議で決めることもできます。

 遺留分制度も知っておくことが必要です。一部の相続人(配偶者、子ども、直系尊属)には最低限の取り分、遺留分が保証されています。遺言書でこの取り分を侵害された場合、ほかの相続人に遺留分侵害額請求ができるのです。

3. 争いを避けるための対策

 一番の方法は、被相続人の生存中に相続について家族で話し合い、被相続人となる親の意向と残される家族全員の思いを共有することです。

 とは言っても、なかなかそんな場を設けるのは難しいということもあるでしょう。そんな時は、被相続人となる親は自分の意思をはっきり伝えるために、遺言書を作成する必要があります。特に公正証書遺言の形式で遺言書を作成すると、トラブルが発生しにくくなります。

 しかし、法的に有効な遺言書の書き方は専門家に相談しながら作成しないと、無効になることもあるので、行政書士や弁護士などに内容を作成してもらった方が確実です。

4.家業や経営資産の継承に関する対立

事業承継をめぐる争いとして、被相続人が個人事業や中小企業を経営している場合、後継者を誰にするかで争いが起こることもあります。一部の相続人が「自分も経営に関与する権利がある」と主張する一方、他の相続人が異論を唱えるケースです。

また、事業用資産(例えば会社の株式や不動産)と個人資産の境界が曖昧な場合、どのように分割するかが問題になります。特に、事業の継続と相続人間の公平性のバランスをどのようにするかは慎重にしなければなりません。

5. 争いが発生した場合の対応

 もしも相続人間で意見が対立し、遺産分割が話し合いで解決できない場合、家庭裁判所の遺産分割調停を利用することができます。

また専門家の仲介として、弁護士や公証人が間に入ることで、感情的な対立を抑え、合理的な解決が図られることがあります

以上のまとめとして

遺産相続は、法律や感情の両面から慎重に取り組む必要があります。争いを避けるためには、早めの準備やオープンなコミュニケーション、専門家の助言を活用することが大切です。具体的なケースについて相談したい場合は詳細な内容を教えてください、1級FP技能士がより適切なアドバイスを提供いたします。